GOODROLL PACKING 規則充填物
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はじめに
古くから精蒸留塔充填物の製造販売に従事して来ました当社は、金網製の塔充填物を多く手がけて居りますが、特に精密蒸留(ファインケミカル)指向が強まるにつけ、規則充填物もより高性能のものの要求が多くなって参りました。
GOODROLL PACKINGは、 当社によって開発された、全く新しいタイプの規則充填物であります。
液が気体や蒸気との接触を伴う多くのプロセスに適合されるように考案され、とりわけ非常に高理論段を必要とされるところに適しています。
発売以来国内に於いて1,000基以上の販売実績があり、新設、改造はほぼ半ばにしており、それぞれ好成績を挙げています。
1990年には、 グッドロールパッキングの製造方法、製品及びその周辺技術の日本特許を受けています。
現在まで、グッドロールパッキングは、A〜Dタイプの4種類が製品化されており、高真空、超高理論段高負荷等、ユーザの皆様の目的に合わせ幅広く対応可能となっています。
グッドロールパッキングの特徴
独特の網目構造による高い比表面積と規則性を持った秩序ある充填構造により、次のような特徴を持っています。
- 1.高理論段数
- 2.低い圧力損失
- 3.広い操作範囲
- 4.容易なスケールアップ
写真(P-3)のように、金属線、又は合成樹脂フィラメントにより、10本〜20本の極く細いワイヤーが一緒に編まれています。
このワイヤーの織り糸は液体が表面を流れたり、織り糸の毛管状の空隙を通る時に、織り糸の間の開口部が液膜で覆われることもなく、気体が通れるように開いたままであるような大きさの網目を持つ織物に編まれ、交互に角度のつけられたリボンが、それぞれの間に適当な空間を持つように巻き上げられ、外周は塔の内側にフィットするような直径になるまで巻き成型されます。
極小なワイヤーとワイヤーとの束が一つ一つの毛細管現象に似た働きをし、液が流れるための多彩な曲がりくねった通路を作ります。角度のついた織り物と織り物との間とワイヤーとワイヤーとの空間が作られた構造が、蒸気の曲がりくねった通路を作り、その結果蒸気流の休みのない分離と再結合が生じ、効果的な混合が生じます。
ワイヤー束は弾力性があり、その織り物の構造は圧縮される程強くなく、塔にピタリと合う大きさでワイヤー束の毛細管現象と織り物の空間と結びついたこの特質が、塔の内壁に沿って流れ落ちようとする傾向にある液を中央に押し戻し、戻された液とぶつかり、複雑な乱気流状態となり、分配、再結合して気液の効果的な移動と分配が行われることになります。
気液接触のしくみ
ワイヤーとワイヤー間の毛細管現象と独特の空間を持たせた「セル」構造であり、織り上げた平面な金網では期待できないワイヤーの全表面が蒸気流中に露出して、全表面が気ー液接触に利用できる点があります。透明ガラス塔により降下液流を観察したところ、塔の直径方向に液は分散し、壁面に沿って流れようとする液は塔断面中央に戻される傾向があります。(Fig-1)
降下液は他の流下点より降下した液と結合し、また毛細管を通って分散し、エンボス加工された網面の溝に沿っても流下します。(Fig-2)
この操作が連続的に行われ熱移動、物資移動が非常に効果的に行われます。故にGOODROLL
PACKINGの厚みは任意に設計できる関係上、積み重ねの波方向が45°〜90°の方向に換えることにより複雑な乱流状態となり、ガス境膜、液境膜の破壊がスムーズに行われます。
又、この様にどの断面をとっても均一な分離操作が行われている為、塔径による性能変化がなく、パイロットテストの結果より容易にスケールアップが可能となり、この規則充填の大きな特徴のひとつとなっています。
種類
種類 | 適用材質 | 比表面積(㎡/㎥) | 重量(kg/㎥) | 適用 |
---|---|---|---|---|
Aタイプ | 金属 | 1500 | 330 | 標準型 |
Bタイプ | 金属 | 1500 | 420 | 高真空・高理論段 |
合成樹脂 | 1500 | ― | 腐食性・高理論段 | |
Cタイプ | 金属 | 1300 | 300 | 高負荷 |
Dタイプ | 金属 | 1800 | 520 | 超高理論段 |
現在、開発順にA〜Dタイプまで製品化されており、適用と設計基準によりタイプの選定と正確なサイジングが行われます。
材質
金属 | SUS-304,304L、316、316L、Ni、Ti、Cu |
---|---|
合成樹脂 | ETFE、FEP、PFA、PP |
適用材質は各種金属、合成樹脂(プラスチックやフッ素樹脂製)の細線として供給される材質は、ほぼ製作可能です。
塔径
従来充填塔の常識としてはΦ700〜800m/m以上は棚段塔でなければと云う考え方が一般にありましたが、最近はΦ1,000m/m以上でも充填塔で蒸留を行うことはごく一般的化されています。
現在まで清濁されたグッドロールパッキングの最大直径は2500m/mであります。(最小直径Φ40m/mより製作可能)
円型に成型して塔壁にフィットするようにされた小塔径用のワウンドタイプ(P-4)と、又大塔径に挿入されやすいように縦方向と塔断面方向に分割されたセパレート型(P-5)とがあります。
タワーインターナルス
液分散板、コレクター、充填物サポート等のタワーインターナルスは、充填物の性能を最大限に発揮するためには不可欠のものです。
弊社は、豊富な経験実績により蓄積された技術やノウハウにより、各プロセスに最適なタイプを設計製作致します。
ディストリビューター(分散板)
リディストリビューター(再散板)
塔径が400m/m
以下にあっては塔径の倍の塔高に設け、それ以上の塔径にあっては塔径の3倍〜4倍の高さに設けることが経験的に望ましく、形式としては、Fig-4、P-6の如きものが代表的に使用され、好成績を挙げています。
要はPackingの全面に極力、細かく降下液を分散させられるものが良く、設置枚数も、できるだけ多い方が、 より望ましい結果が得られます。
サポートグリッド
グリッドについては、従来目皿、金網等を使用されている例が多いが、液分散及びフラッディング防止の為、P-7のような構造が、数多く採用されています。
サポートリングについては、蒸気の流れが阻害されないよう、空間面積を80%以上とった構造が望ましいです。
性能データ
グッドロールパッキングは当社に於いて、「日本国特許権」を所有しています。